【Report No.2】せっかく課金したのにいつも三日坊主………そんなあなたに最適なオンライン学習の持続アプリケーション「StudyPact.com」に取材してきました!
「あなたの勉強に対する意欲を買ってみませんか?」
StudyPactはe-LearningやMOOCsといったオンライン学習のモチベーションを促す学習アプリケーション。スマホやPCを使った勉強はどうも苦手、最初はやる気があるのにいつも3日坊主で続かない。せっかく課金したのに無駄に……という人に向けて、楽しくモチベーションを促してくれる。
【使い方】
アプリ内に登録されている学習アプリから自分が勉強したいものを選択する。次に1週間の学習時間を設定。その際に自分のモチベーションを保たせるために1時間あたりの金額を決める。もし目標が達成できなかった時は(設定額×達成できなかった時間)を支払う。逆に成功した場合は成功報酬が貰える仕組みになっている。
ーStudyPactのサービスについて教えて下さい。
【Paul Kittiwongsunthornさん※以下P】
一言で表すとご褒美があるスタディーログサービスです。自分が目標設定した勉強時間成を見事達成したら報酬がもらえるというサービスです。e-LearningやMOOCsなどのオンライン学習は場所や時間を問わずにどこでも出来る、そして常に最新のものを学習することができます。ただ、連続して勉強をする訳ではないので、何時間勉強したかというのは細かく把握しづらいし、自分で計画を立てて進めないといけないから途中でやめちゃうことも多いよね、というところに目を向けました。
ーサービスの特徴はなんですか?
【P】StudyPactは他の学習記録サービスと違って、ただ記録するだけではなく、学習の持続を促すところに特徴があります。ユーザーはまず1週間の目標学習時間を設定します。その際に1時間にかける金額を決めます。そしてその目標に達しなかった時は、設定金額分×達成しなかった時間がペナルティーとしてクレジットカードから引かれることになります。
ーもうちょっと詳しくお願いしますぅ……
【P】例えば、あなたがコーディングもしくは語学など1週間に5時間は勉強するぞ!と決めます。そして1時間あたり300円の設定をしました。そして1週間後、結果的に3時間しか勉強できなかった、となった場合残りの2時間×300円の合計600円がペナルティーとしてStudyPactに支払われることになるんです。
ーなるほど!逆に成功した場合はどうなるんですか?
【P】日曜日の深夜に各ユーザーの達成時間を集計して、月曜日に目標達成できなかったユーザーに金額を請求します。そして水曜日、その請求した合計金額を目標達成者の口座に均等に分配する仕組みになっています。
ーほうほう。支払いはどうするんですか?
【P】現在はクレジットカードのみ対応しています。将来的にはPayPalも使用したいと考えています。
ーPaulさんはなんでこのサービスを作ろうと思ったのですか?
【P】StudyPactはオーストラリア、アメリカ、そしてタイ出身の3人で運営しています。私たちは日本で行われたTech系のイベントで出会ったのですが、元々メンバー全員e-LearningやMOOCsなどを使ってコーディングやWebデザインを勉強しており、オンライン学習に関しては慣れ親しんでいました。しかし、いくらe-LearningやMOOCsを使って独学で努力しようとしてもモチベーションを一定に保つのはなかなか難しい、そんな悩みを共通して持っていて、それがStudyPactを思いつくきっかけとなりました。
ー教育に着目したのはどうしてですか?
【P】実は、StudyPactに行き着く前にGymPactというサービスをしていました。それはジムで運動する目標時間を設定して達成できなかったらペナルティとしてお金を支払うというサービスです。現在のStudyPactのプロトタイプですね。3人とも体を鍛えることが好きなのですが、運動を持続するモチベーションを保つのって大変だよね、と共通する問題意識があって始めました。でも、運営している段階でよりモチベーション維持が大変なのは何かを学習することで、そちらの方がより社会全体に働きかけられる効果的なサービスであるという意見が3人で一致して、現在のStudyPactに切り替えました。
ーなるほど、ではStudypactを通して今後の教育制度にどのような影響をもたらしたいですか?
【P】例えば、アフリカやインドなど、インターネット環境はあるのだけど、教育水準の高い、つまり学費が高い大学に通わせるには費用が無い家庭はたくさんあります。しかし、e-LearningやMOOCsが普及しているいま、インターネットさえ使えれば質の高い講義を大学に行かなくても無料で受けることができます。そこで、StudyPactを使って勉強を持続することで、大学の講義の単位として認定されるようになれば、学習に対するモチベーションを高めることができますし、能力は高いけれど学位が無いがために就職ができない人たちに雇用のチャンスを与えられます。
ーなるほど、教育の先にある就職に関しても考えているのですね。
【P】そうですね、現在のバージョンでは学習機能がメインになっていますが、今後は個々のユーザーの目標設定も手伝っていきたいです。例えば「iphoneのゲームアプリを作りたい!」という目標があるユーザーに対して一番初めは基礎を学ぶこのアプリ、次は応用編、そして最後に実践編といった学習コースの提案をします。そしてそのステップを踏んで完成したiphoneアプリなどの作品をポートフォリオにして就職活動に生かしてもらうなど、学習から就職活動まで一貫してお手伝いが出来たらいいなと考えています。
ー日本には拡大していきたいですか?
【P】もちろん視野に入れています。しかし、日本の課金に対する意識は他国と比較すると異なります。例えば、StudyPactでは現金をダイレクトに課金する制度を取っていますが、日本ではこのやり方はなかなかうまくいかない。言い換えると、コインなどのバーチャルマネーの方が浸透しやすいのです。なので将来もし日本に拡大をするとなった場合はバーチャルコインなどを導入できたらいいな、と考えています。
ー今後の展開楽しみにしています!
【P】ありがとうございます!まずは東南アジアを中心にサービスを拡大していきます。勉強したいことがあるけどイマイチ踏み出せない方、もしくは学習のモチベーション維持で困っている方は、StudyPactを使ってみてくださいね。
(MIHOの編集後記)
文中にも書きましたが、StudyPact創業者の3人は日本で出会ったそうです。そして実はOpen Network Labインキュベーションプログラム第8期を卒業しているスタートアップだったという驚きの事実が!鎌倉にあるOpen Network SpaceでStudyPactの開発をしていたそうです〜。またSchooldioという日本向けのオンライン学習サービスも運営しているとか。
【Report No.1】東南アジア発のハンドメイド作品のオンラインマーケットプレイス「blisby.com」に取材してきました!〜タイのものづくり事情を赤裸々に明かす!〜
ไอเดีย DIY พิมพ์ภาพบนแผ่นไม้ - Inkjet photo transfer - YouTube
▶︎blisby.comは可愛らしい小物やアクセサリーなどのハンドメイド用品を売買できるオンラインマーケットプレイス。出品者は自分が作った作品を無料で出品することができ、購入者も利用料金をかけずに購入できるのがポイント。また、メディアコンテンツとして、DIYの手順を丁寧に解説した記事や出品者にインタビューをした記事を載せる独自のブログがあるのもポイントです。 そんな売り手と買い手がインタラクティブになれるblisbyを作るなかの人に実際にお会いしてきました!
ーblisbyについて教えて下さい。
【blisby CEO兼CTO Phuvadol Thongthavornさん※以下P】blisbyはタイのアーティストが創るハンドメイド作品とそれが欲しい人たちを結びつけるオンラインマーケットプレイスです。取り扱っている商品はアクセサリー、バッグ、洋服などのファッションアイテムから絵画や陶器といった美術工芸品、なかにはクッキーなどの手作りの菓子まで実にさまざまです。
ーお菓子まで!取り扱う商品の幅がとても広いですね。
【P】はい。他にも猫や犬の動物用の洋服もあったりと、ユニークなものが多いです。商品の規定は「アーティストがハンドメイドした作品」としているので個性豊かな商品が多数登録されています。わたし自身も出品される作品をみていてそのアイディアは無かった!と驚くことがよくありますね。笑
ー取り扱う商品以外にblisbyの見どころはありますか?
【P】blisbyはオンラインマーケットプレイスだけでなく、独自のblisby BLOGも持っており、そこでタイのアートに関わるあらゆるコンテンツを配信しています。例えば、作品を出品しているタイ人アーティストにインタビューをして創作に至ったきっかけや、どのように作品を創っているのかのかといったところを記事にしています。他にも、一般ユーザーから投稿されたヨーグルトジュースを使ったキャンディーの作り方、体に害のないクレヨンを使って口紅を作るDIYや自分のお気に入りの写真をキャンバスにするDIYなどの簡単にできるDIYやハウツーも紹介しています。
ーPhuさんがblisbyを始めようと思った経緯を教えてください。
【P】実は私はアメリカで生まれて、タイには約4年前に戻ってきました。アメリカにいる間はプログラマーとしてSONYやYahoo!で働いていました。小さい時から自分でものを作るということが好きで、飛行機や車などのプラモデルを作ったり、時には絵を描くこともありました。プログラマーという仕事を選んだのも、自分で何かを創り出せるという点に惹かれたからですね。その道を選んでからは自分の創作手段はコーディングになりましたが、趣味として写真や絵画などのトラディショナルアートやコンテンポラリーアートに触れていました。そしてアメリカで約35年過ごした後、宗教上の理由でタイに移住することを決心しました。タイではOgilvi&Motherでシニアプログラマーとして3年働き、そこでDIYやアートが好きな同僚、今のblisby創業メンバーですね、と出会ったことがきっかけとなり2014年の8月に現在のblisbyを始めました。
ーblisbyをタイで始めた理由とコンセプトを教えてください。
【P】タイはトラディショナルアートからコンテンポラリーアートいったアートに関する歴史がとても長く、多くの人がものを創るということに親しみをもっています。例えば、平日は会社で働くサラリーマンやOLも週末はチャトチャック広場で自分のお店を持ち、自身の作品として絵画やアクセサリー、衣類などを販売しています。その様なクリエイティブ文化が強く根付いている環境に、blisbyがオンラインプラットフォームという場所を提供することでものづくりに情熱をもつアーティスト同士を簡単に繋げることができます。アイディアを持つ者同士がお互いに刺激し合えば、更に新しいものを創り出せるようになります。そんなクリエイティブでサスティナブルなコミュニティをblisbyからたくさん生み出していくのが目標です。
ー他のe-Commerceと比べるとターゲットが特に限定されていると思います。それに関してはどうお考えですか?
【P】確かに、blisbyのメインターゲットはアーティストのというニッチな層です。しかし、先ほどお伝えしたようにクリエイティブ産業に対する需要は確かにあり、タイ以外にも工芸品や手芸品を収入源としている国は東南アジアに多数あります。アメリカではEtsy、日本ではminneなどのハンドメイド作品のオンラインマーケットプレイスは既に存在しますが、東南アジアではこういったオンラインマーケットプレイスはほぼ無いのが現状です。なので、blisbyがこれらの作品を売買できるマーケットプレイス、そしてアーティストやその土地特有のものづくりに関するメディアコンテンツ機能を担うことができればかなりの需要を獲得することができます。サービスは去年の8月(※2014年8月)にローンチしたばかりですが、ほぼ口コミだけで月間累計90万のページビュー数と30万人のユニークビジター数を獲得しており、現在もその数を順調に伸ばしています。
ー今後のプランを教えてください。
今後は東南アジアを中心にサービスを拡大していきたいと考えています。しかし、これ以上サービスを拡大するためにはプログラマー、エディトリアルデザイナーといった新しい仲間が必要です。blisbyのスタッフはDIY好きが多く、オフィス内ではスタッフが自らものづくりをしています。なのでこの職種でDIY好きの方がいたらぜひお待ちしております。
ーありがとうございました!
(ミホの編集後記)
blisbyのwebサイトを見ていて感じたのはとにかく写真が美しいということ!どれもプロの写真家がまるで撮ったかのように作品の魅力が最大限に引き出されるような写し方。気づけば、商品クリックー>カートに移動を無意識のうちにしていて焦りました……。小ネタですが、写真に関してはすべてユーザーから投稿されたもの(!)ということでした。ただ、こういった写真の撮り方の記事をアドバイスとして送っていたり、写真の撮り方と称してワークショップを開催したり…という工夫をしているそうです。
【後半戦】True Incube Asia Pacific Mobile App Challenge 2014参加るぽ。
True Incube APMAC 2014後半戦続きます!
前回の記事ではオンラインマーケットプレイスのSuperRFQやスクーターメッセンジャーサービスのSkooterなどのスタートアップを紹介しました。では残りの5社の紹介をします。
6.StudyPact
StudyPact StudyPact | Earn money for studying
「あなたの勉強に対する意欲を買ってみませんか?」
e-Learningの学習測定アプリケーション。スマホやPCを使った勉強はどうも苦手、最初はやる気があるのにいつも3日坊主でせっかく課金しても無駄に……という人に向けて、モチベーションの維持を促すサービス。アプリ内に登録されている200の学習アプリから自分が勉強したいものを選択する。次に、1週間の目標時間を設定。その際、自分のモチベーションを保たせるために学習時間1時間あたりの金額を決める。もし目標が達成できなかった時は(達成できなかった時間×設定額)を支払う。逆に成功した場合はお金が貰える仕組みになっている。
(メモ)あるmoocのアプリ使用前の達成率5%を85%に伸ばしたとか。今後、まだ未確定なようですが、保有するe-Learning,moocsのテストをパートナーを結ぶ会社の就職活動に反映する計画があるようです。
7.TRCLOUD
8.Serfpark
バンコク内の車の駐車場を検索できるモバイルアプリケーション。駐車場は市内に点在するコンドミニアムの駐車場を主に使用する。セキュリティ面でコンドミニアムは入り口の警備がしっかりとなされていて、普通のパーキングエリアよりも安全且つスペースが余っているという理由で選ばれた。サービスの利用方法はいたって簡単でSerfparkのアプリケーションがgoogle mapと連携しているのでGPSで自身の位置の周囲にある利用可能駐車場を選択、そしてクレジットカードで決済をすれば完了だ。まだプロットタイプのみでローンチはされていない。
(メモ)現時点でスポンサーを名乗り出ている会社が6社ほど。ほとんどコンドミニアムの会社ですが、90000の駐車スペースを確保できる見込みがあるようです。
9.Bikemotors
「安全で便利なマウンテンバイクコミュニティを。」
マウンテンバイカーに向けたモバイルアプリケーション。あるデータで10人に7人のバイカーは事故にあっているという問題から着想を得たようだ。もちろん創業者はマウンテンバイカー。サービスの内容はサイクリングの安全で渋滞が少ないルートの提示、rest/eat/drinkのカテゴリで周辺エリアのカフェ、バイクショップ、休憩所、などの情報の提供も行う。google mapと連携しているため、常に最新の渋滞情報を取得できる。
(メモ)バンコクはマウンテンバイカーが多く、創業者もそうであることから着想を得たのかな。
10.Dipify ★今回のWinner!
「きっとどこかにいるであろう、あなたと同じことを考えたり行動している人へ」
人と人をマッチングする出会い系アプリケーション。FacebookやYouTubeのイイネボタン、もしくはcheck-inをすると自分と同じくイイネ/check-inをした人に通知が行く仕組みになっている。気になった人とはチャットをすることもできる。またコンテンツプロバイダーと契約をしており、メディアなどの配信も行っている。ユーザーはバンコク市内の大学生、パートナーシップ結んだ企業のフォロワーが多くを占めている。自分の検索したいタイプを性別、血液型などを選択することによってフィルターをかけることができる。またチャットも行える。
(メモ)フィルターやチャットのステッカーはポイントが必要なポイント課金制を取っている。
タイのスタートアップのリアルを見ることができた
合計10のサービスはどれも個性的で創意工夫が凝らされていて見ていてとてもたのしめた。優勝は出会い系アプリのDipify、レストラン経営向けアプリのFoodStory、建設資材のオンラインマーケットプレイスを提供するSuperRFQだった。人のマッチング、という点ではDipifyとFoodStoryが同じ系統だが、より詳細なサービス内容を見るとどれもまったく被っていなかった。
全体的な傾向としては、実用的なサービスが多いという印象を受けた。駐車場の提供やスクーターのメッセンジャーなど日常生活の場で活用でき、万人ウケしそうなサービスからフリー会計ソフトやクラウドストレージ系などの一部のビジネスマン向けだが、作業効率を高めるのに役立つオンライン系のサービスが多かった。
ニッチな層に向けたサービスとしてはサッカー好きな人やマウンテンバイカー向けのものがあった。
残念だったのは、サービスのモックだけだったりオフィシャルウェブサイトが無いスタートアップも多かったこと。優勝には至らなかったにせよ個人的に興味をもったサービスが調べることができず、ちょっと勿体無いなぁと思った。
次のステージのシンガポールは来月に行われるそう!ぜひタイのスタートアップがバルセロナでの大会へ進出できますように。
2015.1.19
【前半戦】True Incube Asia Pacific Mobile App Challenge 2014参加るぽ。
True Incube Asia Pacific Mobile App Challenge2014とは?
1月17日、True Incube | Startup Incubator in ThailandにTalentExのCEO越さんと一緒に参加してきました。
タイ国内にある多数のスタートアップの中から、厳選された10社が各々のサービス、(アプリが必須条件)、ビジネスモデルをピッチするという結構大きいイベント。
上位3位だけが次のステージであるシンガポールに進めるんだけど、実はタイ以外の8ヶ国でも同時進行で選抜が行われていて、合計27のスタートアップがシンガポールでしのぎを削るようです。そこで更に3チームに絞られ、アジア太平洋地域の代表者(!)として最終ステージへ!
気になる最終ステージですが「GSMA Mobile World Congress2015」3月2日〜5日にスペインのバルセロナで開催されます。
気になる!本日の出場スタートアップ
ではでは、今回の出場スタートアップ10社をサービス内容と共に順番に載せていきます。
1. SKOOTAR
2.Overdrive
3.SOCMATCH
サッカー好きの人同士をマッチングさせて一緒にサッカーをする日にちや場所を決めたり、チャットなどをするコミュニティを提供するアプリケーション。プロトタイプは出来上がっているようですが、サービスのローンチは今年の4月になるようです。
(メモ)タイ人はサッカー好きが多いからマネタイズ出来るかどうかは置いておいて、需要あるんだろうなぁ〜なんて思いました。